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失敗の多い中小企業の採用活動

2020/05/08

 採用の広報に携わらせてもらって感じるのは、
中小企業の採用は本当に厳しいなという事です。
実際に人手不足が原因での倒産も増えてきています。
政府も色々と手は打っているようですが、歯止めがかかる見込みは
ありません。余談ですが、70歳までの定年延長は、人手不足対策より、
崩壊している社会保険制度のためが大きいと思います…。

 そんな人手不足倒産は、中小企業が今まさに直面しつつある問題です。
当社、水嶋プロデュースは広報企画の会社として、中小企業の採用ツールを
企画制作していますが、その業務の中で感じた、採用がうまくいかない
中小企業の傾向をまとめてみました。

①『総務部などが臨時の人事部に』
これは本当に仕方ない反面、そんな事情の知らない学生からみれば、
新卒採用の状況に詳しくない、普段は総務部など別部署の人を通し、
会社の評価を下げる事も多々あります。採用時期だけ兼業で採用担当を
していると当然、合同説明会などで学生から、面接でうかる方法や、
就活でのノウハウ等、質問を受けても、的確に答えられなかったり、
良いアドバイスができないです。企業イメージが悪くなる時があります。


②『採用担当と経営者のズレ』
採用活動の時期、経費、就職サイトへの掲載、合同説明会参加など
採用手順、予算に、担当者と経営者でズレがあったり、ひどい時には
制作業者に価格だけの相見積をして、費用を出し渋る中小企業の
経営者もいます。つまり採用に成功するには、採用担当と経営者の間で話が
しっかりされて、予算規模やどんな学生をどう採用するかの合意が
得られている事が必要です。合意が得られていない会社は、広報ツール制作
ひとつとってみても、担当者レベルでOKになったのに、土壇場で
経営者の人が変更を入れ、往々にしてデザイン企画が破綻します。

③『自社独自の工夫をせず業者に任せっきり』
就職サイトの業者、当社のような広告企画の業者に、採用HPの作成、
合同説明会で使う、採用ツールの冊子、動画などの制作を依頼する
のは必要な事ですが、そこにプラスアルファで工夫をしない会社は
採用で成功しません。『自主性をもって、自分で動いて創造できる人』や、
それに類するスローガンを、学生に求める中小企業は星の数ほどありますが、
合同説明会のブース・机等は初期位置のまま、そこにパンフや
PRツールをセットして完了では、残念ながら「自主性、創造性ゼロ」です。
学生に求めておいて自社はやっていない、そんな企業どうでしょう?
水嶋プロデュースでは、そんな部分もご提案します。


④『質問を通り越して尋問の面接』
「自己紹介」、「志望動機は?」、「学生の時に何に打ち込んで、
どんな達成があった?」など、まさにこれ尋問です。もっと実のある
会話をしましょう。手あたり次第に色んな会社の面接に行って、自分の適性もまだ
分からない新卒学生に、志望動機なんかほぼ無いです。たまに
「当社の志望順位」を聞く人いますが、僕が就職した1998年など
就職氷河期でのみ許された質問ですよ。時代錯誤も甚だしい。


⑤『内定者へのフォローなし』
当然、できる学生は何社か内定をもらい、最終的に
1社に入社します。大手企業なら内定した学生へのフォローで辞退者を
減らそうとしますが、中小企業では内定者フォローはほぼ行われていません。
先日、ニュースになったパナソニック産機システムズの様に、その一環で
内定者SNSを利用をしたものの、内定者の自殺者を出てしまってましたが・・・。
なんでも運営の方法は大事ですが、何かしら内定者フォローは必須です。
中小企業での内定辞退は命取りです。

 以上5つですが、それ以上にあるかもしれません。なんにせよ、
癌と一緒で、後継者不足、人材不足に関しては、経営者が自覚症状を
感じた時には、ほぼ手遅れです。なぜなら人はスグに育たないからです。
20代の学生が、成熟する30代になるだけでも10年は必要なんです。

 30代、40代の優秀な人を中途採用で確保すればという意見もありますが、
できるでしょうか?そんな人が他社に行かずに自社に来てもらうには、
それなりの理由が必要です。