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中小零細企業は安月給って本当??

2021/04/23

4月に入ると、新卒で入社する社員さんからの意見でよく聞かれるのが、中小零細企業は大企業に比べると、やっぱり給料は安い。就職するなら大企業だ!っという事ですが、確かに動かす資本の規模が違いますし、そうかもしれませんが、僕の友人で中小零細企業に勤める人はいますが、そうとも限らない気がします。

そんなわけで、今回は当社が中小零細企業の販促売上UPのため、プロデュース業をしている中で感じた事&経営者の知り合いの人達の話を統合して、一つの参考意見を出してみました。まず、中小零細企業が安月給の原因として、よく聞く噂話しが↓


【同族経営の弊害?】

 これは完全に否定できないです。入社して1~2年の新卒入社の社員さんが言う不満がこれです。創業者が起業して会社が次第に大きくる中、創業者の子供達など身内雇用が増えると、一般社員さんがそういった事情から、搾取されているのは、否定できません。
 創業者の家族の数が増えると(増えること自体は悪くない)、同族社員を養うお金が必要ですが、それを稼ぎ出すパワーが、2代目経営者以降だと、どうしても衰えるケースが多いです。僕の肌感ですが、創業者を越える2代目が現れる確率は、全体の1割くらいな気がします。これは仕方ない事です。なので、創業者程の経営パワーがない「しわ寄せ」が、一般社員さんに・・・って事は完全に否定できません。



【経営者の能力不足?】

今はコロナ禍なので、あまり無いですが、サラリーマンの居酒屋トークで、「うちの社長は、わかってへんからなぁ~」というのがありますね?つまり経営者がしっかり経営していないから、自分達一般社員の給料が安いのだ!っという理論です。ネガティブなトークをする社員のやる気にも疑問ですが、実はこれが割と正論だと思います。僕の肌感覚ですが、90%以上の確率で正論な気がします。

しかし!僕の立場上ポジショントークになるのは否めませんが、経営者の言い分もあります。「社員が頑張らんからやん、困難から逃げるし、単純作業しかしないし、社員の君らにも責任はある!そんなに安月給が不満なら、もっと高給を払ってくれる会社に就職すれば良いやん?そんなにあんたが凄いなら、よその会社で大活躍してみたら?職業選択の自由が認められているんだぞ!」っという事ですね。これも一理あります。



【例えばじゃぁ、どうする?】

集客、売上UPの広報企画以外で、中小零細企業の社長さんができる事の一つに、『大企業の真似して縦組織を作らない』とかあります。中小零細企業の社長さんは、ある程度従業員が増えてくると、どうしても組織を割りたくなります。営業1課、営業2課とか、組織化したくなる病ですね。さらには『組織図』も作りたくなりますが・・・目安として、『粗利1億円ごとに管理職1名』ぐらいで良いんじゃないですかね?

同族が増えてくると、役職与えたりして人件費も増えますので、例えば1人あたり1000万円/年、の利益をかせぐとすれば、粗利1億ごとに管理職1名なら、そんなに安月給にはならないと思います。これだと、10人に1人が管理職の割合ですね。採用戦略で言うと、人手が足りないのが理由で、正社員を雇うのは愚の骨頂です。



【会社の利益構造の改善】

社内の人事で人件費の強弱をつけるだけでは、限界が知れているので、現実的には会社が高利益を上げる仕組みを、社長が作る事です。社長の仕事は戦略の策定と、戦略の実行です。競合と差別化を図り、下請けを脱却して、価格競争からも脱却、利益構造を再構築する事ですね。つまるところ、そこです。



【今すぐ給与を上げたいサラリーマン】

しかしながら、すぐに給料を上げたいなら、サラリーマンは転職する事で年収100万円UPは簡単です。例えば業界平均でコロナ前のデータですが、

「うどん・そば屋の1人当たり限界利益は30万円/月」で、労働分配率が約50%と約半分なので、約15万円の月給です。

「産業廃棄物処分業の1人当たり限界利益は100万円/月」で、労働分配率が約40%だと、約40万円の月給です。

業界が違うだけで、こんなに変わります。中には例外な高収益企業もありますが、サラリーマンの給料帯は、業界平均である程度決まるので、転職されるなら別業界を考える事が重要です。逆に言えば、1人あたり限界利益が、給料を決める目安ですね。