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コンペ形式では、広告販促は成功しない ~大学案内編~

2022/03/05

当社は無料でデザインや企画はしないので、デザインコンペとかプロポーザルって、参加しないです。

デザインコンペとかプロポーザルって、数社からデザイン案が発注前に確認できて、そこから選べるので、発注側はメリット多いですね。っと一見思われますがしかし!メリットしかないように思われるデザインコンペやプロポーザルは、実際の所、百害あって一利なしなんです。広報で成功している大学はデザインコンペやプロポーザルはしていません。当社も基本は参加していません。

なぜかというと、コンペやプロポーザルってどうやって始まります?まず大学案内を依頼するコンペやプロポーザルへの参加依頼を広告代理店やデザイン会社に呼びかけます。で3社が集まったとします。大学側は、どういったものを作成したいか、参加する業者に説明しますが、だいたいが仕様書や質問書を配布するかを、よくて説明会を開いて参加業者に仕様等を説明します。実際の所、こんな説明で本当の深い部分の目的や意図までは、3社全部に話しできないです。

例えばですが、1社の会社と制作前の打ち合わせから、制作中の打ち合わせ等を複数回するのと、3社を集めて一回の打ち合わせ説明するの、コミュニケーションの質の違いは、一目瞭然ですね。コンペやプロポーザルでは仕様書だけ送付したり、1回の説明会で伝えたり、さっと表面的な所の、浅いコミュニケーションで終わります。するとどうなるか?

誌面のコンテンツの質の追求や、配布後の学生確保の導線設計より、デザインのビジュアル面でのアピールでしか提案ができません。学校の学びの本質を基準にした深いデザイン意図の共有等ができない以上、もう表面上のビジュアル的な印象でしか提案ができないし、大学側の広報担当もビジュアル面でしか判断していません。その表面的な情報を元にデザインした大学案内に、競合大学と差別化をはかり、大学独自の魅力を伝える力はあるでしょうか?

大学案内の作成のポイントは「良いビジュアル」ではなく、配布後に「効き目がある」ことです。
当たり前ですが、見た目のクリエイティブ性だけの判断で、大学の顔となる販促ツールを完成させても意味がありません。制作業者が大学広報担当の好みのビジュアルを過去実績から調査し、お伺いを立てながら作る、置きにいっているツールです。

これはこの業界に25年いた僕の経験ですが、デザインコンペやプロポーザルに勝てずボツになったデザイン案ってその後、どうなっていると思います?処分されると思いますか?そんなわけない!ボツ案は他のデザインコンペやプロポーザルに流用するに決まっているじゃないですか。熟練のデザイナーなら画像とテキストを差し替え、新しく見えるデザインに仕上げられます。しかも簡単に!


これってデザインコンペやプロポーザルだからできる裏ワザです。本来なら大学の要望を聞きながら
一緒に制作していくので、その好みや、効果あるコンテンツを目指してデザインって出来上がります。そうなると、それで出来上がったデザインは、その大学専用の企画やデザイン、学生募集までの導線が構成されるので、他でまんま流用するのは結構難しいです。ですがデザインコンペやプロポーザルは大学側と細かい打ち合わせ無しに、一方的な提案でデザインして提出できるので、そのデザインは使いまわすのに汎用性が高いんですね。ボツ案が他校で出回ってもバレませんしコンペやプロポーザルで「御社の発想で自由に制作してください」って言われたら完璧です。

フォーマットのデザインがあれば、新規っぽいデザインなんてプロのデザイナーなら簡単に量産できますよ。そんな感じで作られた広報ツールが真に効果を上げられるわけないですよね。