ブログ

コンペ形式では、広告販促は成功しない

2022/02/02

当社がいるような広告・印刷業界でのコンペは数社参加し、デザイン案や見積などの企画をそれぞれ提出して競い、最終的に1社が選ぶばれますが、他の業界もコンペというと、似たような形式だと思います。実は、後述の理由により、当社は2021年から基本的にはコンペには参加していないです。

なぜならコンペで広告企画を募集し、それが実際に制作されて成功した事が1回もないからです。少なくともこの20年見たことないです。ま、何をもって成功と言うかにもよりますが…。実はこのコンペ、受注側も発注側も、誰も得してないんですよね。

当社がクライアントから依頼を受けるとき、まず『クライアントの課題は何か』を見極める事からはじまります。極論ですが、「新製品や新サービスを打ち出したいから、広告をうちたい」っと言われても、よくよく話を聞くと、「広告のデザインでクリエイティブを追求するより、新製品や新サービスの魅力を磨き直したほう良いですよ」って時が、割とあります。その掘り下げがコンペだと、まず出来ません。

コンペ概要欄に、クライアントが今回の広告企画の主目的や意図を書いていますが、まぁ~鵜呑みにできない場合が多いです。クライアント自身も正確に把握してない場合が多々あるから、ヒアリングの中で、僕らプロデューサーは、そこを正確に把握する事が求められます。しかし、この正確に課題を把握する事が、コンペではできません。不可能です。

もうそうなると、「どうせ効果はないだろうなぁ」とか、「この仕様ではないでしょ、ツール選定がまず間違っている」っと思っても、もうコンペの仕様で決まっている事は覆せないです。となるとどうなるか?クライアントの課題解決よりも、『コンペで競合に勝つ』事が全てになります。当たり前ですが、実際にコンペや入札を主催する業者が思い込んでいるのは


『コンペで競合に勝てる企画』=『世の中で反響のある企画』


という大いなる誤解です。そんなわけないです。コンペで選ばれて受注した業者は、コンペ概要の趣旨に『最適解』が出せた業者であり、発注側のクライアントは、想定していた通りのツールが完成して「気持ちよくなる」だけなんです。だから打った広告では、世間の人の気持ち、行動は一切動かない。って事なんですね。これ、コンペやプロポーザルに参加している企業は知ってても、わざわざ言いません。

コンペや入札をしたがる業者って、おそらく、「数社から選んだほうが良い広告ができる」「コンペで選ぶ業者が多いほど、広告で成功する確率が上がる」っと妄信しているからなんですね。だから、冒頭のコメントに戻りますが、当社はコンペには基本的に参加しない事にしました。

そもそも、コンペの主催者にメリットは1個もないですよ。なぜかって?コンペに参加する業者の事情を知らないからです。普通に考えて、コンペに参加する業者は

①決まるかどうかわからないに仕事に、優秀なスタッフ(トップクリエイター)は使わない
 優秀なスタッフは、自社を指名して仕事を依頼してくれるクライアントにアサインする

②短期的な業務関係で、信頼関係が築けないため、真に良いアイデアが出ない

③相見積のような入札系なら、最低限の制作体制で挑むので、良いアイデアも良い物もできない

など、言い出したらまだだまありますが、主な要因はこの3つです。

当社だけではなく、どの業者もですが、指名されて頼られるからこそ、緊張感も高いですし、成功するためにあらゆる手段を考え、スタッフ体制も万全のものを整えます。これってすごく重要な事ですよね。